真夏の小松菜の苗作り

小松菜
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こんにちは、「猫の額」の菜園・花壇にお越しいただきありがとうございます。

管理人の花都 野菜です。

小松菜の苗作りでは、通常、よく耕した畑に種子を直播きして芽生えた若苗を順次間引き、残りを栽培・生長させて収獲するのですが、今回はあらかじめ苗を別の方法で作り、そこから菜園に植え替える方法をとることにいたしました。というのは、この記事に先立って赤かぶ(ラディッシュ)の種を播いていたのですが、今年の異常な暑さとスコールのような豪雨に見舞われる中、まいた種が流されてしまったり、せっかく芽生えた若苗も豪雨の為に跳ね返った土にまみれてそのまま枯れてしまったり、或いは暑さのために葉がやけてしまったのか茶色く変色しそのまま枯れてしまったりと散々な目にあいました。しかも発芽適温という事を考えると、異常な暑さの中での7~8月の種まきにはそもそも無理があったのだろうと思いました。残念でしたが赤かぶ(ラディッシュ)の栽培はもう少し気候が安定してから取り組むことにいたします。

今にして思えば、赤かぶ栽培の失敗記も本ブログに上げておけばよかったなと思うのですが、もはや後の祭り。さて、小松菜の苗作りですが今回初めての取組みをご紹介いたします。卵パックによる種蒔きと苗作りです。その取り組みと並行して雑草堆肥による土作りも行っていきます。

雑草堆肥による土作り

雑草堆肥による土作りは以前の記事「菊づくりは苗作りと土作りから」でもご紹介した通りでとても重要です。気にかかるのは混ぜ込んだ雑草には既に種が出来ていてこの種から雑草が芽生えてくることと根をそのまま鋤き込んでいることです。根には病原菌などが住み着いていることが多いとして園芸記事やテレビ番組等々で根は取り除くことが推奨されているからです。でもこれから実際に苗を植付けるまでには何度もスコップで土をかき混ぜて、雑草が堆肥化するまで鋤き込むことを繰り返すことになるでしょうからあまり大きな問題にはならんだろうと根拠なく楽観しています。

種蒔きの新たな方法

さて、今回初めての取組みとなる卵パックを用いたトレイによる種蒔きと苗作りですが、この方法を思いついたときに同じような方法で種まきをしているブログや記事を目にしました。決して盗作した訳ではありませんが、同じようなことを考える人が大勢いるのだなと感じ入った次第です。もっとも、ヒントはホームセンターなどで目にしたセルトレイでしたので必ずしも独創的なアイディアだったとは言えません。ただ、「猫の額」の菜園・花壇ですからそのようなセルトレイでは持て余してしまうのは目に見えています。で、思いついたのが卵パックでした。

卵パックの下というかより深みがある方の底に火のついた線香で穴をあけ(左の画像)、適度な大きさの脱脂綿を詰めて(中央の画像)、卵パックの上の方(深さが小さい方)を逆さまにして水を満たし、そこに脱脂綿を詰めた卵パックを上から被せ水が浸透したところで種を1粒ずつ置いて行ったのが右側の画像です。脱脂綿を使用したのは室内にて発芽させるので土をそのまま使用するのは例えば万一ひっくり返した時の事などを考えるとなんとなく憚られたためです。また、脱脂綿であれば根が伸びてきたときにもその隙間にうまく根を張ることが出来るだろうし植え替えた後でも土と同化するだろうと考えてのことです。この種まきが´24年8月15日です。果たしてこんなやり方でうまく苗作りが出来るのかはなはだ不安ではありますが、とにかく失敗したとしてもその経験は記事に上げていくつもりです。

とにかく発芽しました

画像は’24年8月20日のものですから、実際の発芽はもっと早く17,8日くらいだったのでしょう。これほど早くに発芽するとは思いませんでした。因みに窓際の比較的に日当たりの良い場所にて培養しています。画像中の卵パックの右下の1苗、発芽するにはしたのですが種子の殻を双葉が被ったまま伸長していったために十分な光を浴びることが出来ずいわばもやし状態になっています。強い日差しや豪雨を避けるためとはいえ室内での芽出しをしているために、そもそもが日光不足のところに殻を被ったままではこの先が心配です。それで豪雨の心配のない晴れた日には外に出して出来るだけ日光に当てるようにしていました。

本葉が出始めました

’24年8月29日の撮影です。小さいながらも本葉が見えてきました。ただあまりにも弱々しい感じです。やはり日光不足といわば水栽培という事から生長の為の肥料不足が原因だろうなと思います。出来るだけ早く植え替えなければと思うのですが、ちょうど台風10号の接近中という事もあるのでどうしようかなと思っています。脱脂綿の中に根が張っているでしょうから脱脂綿ごと菜園に植えるか、それとも一旦はビニールポットに植え付けて十分に生長してから菜園に植えなおすかの選択になるでしょう。とはいえ台風が過ぎ去ってからでないとその作業に取り組めないのかなとも思いますが、悩ましいところです。

一先ずビニールポットに移植

’24年8月30日の撮影です。生長状態は昨日とほとんど変わりません。本葉が出てはいるものの色も黄色っぽく弱々しいことには変わりがありません。昨日からずっと悩んでいるのですが、台風が過ぎ去ってからでは余りにも日が経ち過ぎてしまい苗が更に弱ってしまうのではないかという懸念があります。そこで……、

台風10号の心配はありますが、思い切ってビニールポットに植え替えました。ビニールポットに培養土を入れ小松菜の苗が脱脂綿ごとすっぽりと入るくらいの窪みを作り、その中にピンセットで苗をやさしく摘み上げて入れて周りから軽く土を抑え脱脂綿が上手く土になじむようにします。恐らく、脱脂綿の中には細いながらもそれなりに根が生えていることでしょうから、傷めないように慎重な作業が必要になります。とはいえ、手先のあまり器用でない本ブログの管理者にとっては緊張を強いられる作業です。10粒の種を播いたうちの一つ(先に述べたもやし状態の苗)はすっかり弱っていたので、そのまま土に還しました。結局9本の苗をビニールポットに植え替えました。

さて、この9個のビニールポットをトレイに置いて水に浸します。自称”水盆方式”、このやり方は以前の記事「菊づくりは苗作りと土作りから」でもご紹介致しました。その際には「なんか邪道のような気もするのですが」と述べたのですが、その後”腰水”という言葉を聞いたことがあったので、その語句で検索するとそのような方法での吸水方式もあるにはあるとのこと。とはいえ、メリットと共にデメリットもあるようです。余談ですが自称”水盆方式”改め”腰水方式”は、以前からも日日草やサニーレタスの苗作りの際にはビニールポットに種を播いて発芽させ十分に育ってから植え替えるという手法は邪道かなと思いつつも行っていました。最近になってパソコンを手に入れることが出来、種々の検索の方法を学び、今回のブログを始めるにあたって正確な知識も得たいと思うようになってから急に世界が広がったような気がしています。

この9個の苗ですが、翌日の’24年8月31日に観察すると心なしか本葉が大きくなってきたように感じるのは自分に都合よく世の中のことを解釈する心理的バイアスがかかっているからでしょうか。ともあれ台風10号の影響で晴れ間がないのですが、それでも室内よりは日当たりは良いでしょうし土壌中の肥料分も吸収出来るでしょうから今後に期待しています。とはいえ心配なのはやはり台風10号です。小松菜の苗に限らず大きな被害が広がらないように祈るばかりです。

本葉が少し元気になりました(手前みそかも?)

’24年9月2日の画像です。手前みそかもしれませんが、3日前の状態に比べると本葉が少し大きくなってきたように感じます。あらためて画像を見比べると、本葉はやはり大きくなっているようですね。ただ、いくつかの苗の本葉が黄色くなっているのはやはり気がかりです。今後どうなるのか、果たして露地への植え替えに耐えらる位に生長するのか。今後の経過に期待です。

苗作り第2弾

’24年8月30日に第1弾をビニールポットに植え替えた際、空になった卵パックトレイに小松菜の種蒔き第2弾を実行しました。第2弾では発芽したら出来るだけ戸外で日光に当てようと思います。まだまだ強い日差しの中で葉焼けしないかなどの心配もありますが、一先ず発芽したことと卵パックの下トレイ中の水の気化熱によって急激な温度上昇は避けられるのではないかと、根拠もあまりなく楽観していいます。

で、今回は双葉がある程度成長した段階で本葉が出るのをあまり待たずにビニールポットに移植しようと思います。前回は本葉が出てそれなりに生長するのを待ってから移植するつもりでいたのですが、先に述べたように卵パックのままだと本葉の生長が芳しくないようですので出来るだけ早くに日差しに当て、土壌中の肥料分も期待できるビニールポットに移植した方がよいかなと思うわけです。とはいえ、双葉段階での移植ですから根も十分に張れているわけでもありませんし移植の際には根を傷めないように第1弾の時以上に慎重な作業を要します。今からドキドキです。

第1弾の苗の植え替え

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結論から申し上げますと、第1弾の苗作りは失敗でした。ビニールポットに移植した9株の内、露地への定植が出来たのは2株でした。上の画像は「本葉が少し元気になりました」で使用した画像の一部を切り取り拡大したものです。原因はいろいろと考えられるでしょうが、一番可能性が高いと考えられるのは卵パックトレイで培養土替わりに使用した脱脂綿をわずかな窪みに置いたために十分な根張りが出来なかったことだと考えています。ビニールポットに移植する際にひょろ長くなった苗が土の中に埋まるように脱脂綿を1cm位に土中に埋め込めばよかったと思います。第2弾の植え替えの時に試してみようと思います。

第2弾の植え替え

上の画像は

第1弾と同様に脱脂綿での苗をそのままビニールポットに置いたものです。第1弾の時と異なるのは本葉が出てくるのを待たずにある程度双葉が生長した段階でビニールポットに移植した事です。そして下の画像で示したように脱脂綿が隠れるように1cmほどの土を被せたことです。ビニールポットの下の方にある緑色の物は、被せた土に混じっていた草の茎です。

双葉の内に植え替えたのは多少なりとも根が張り出した段階で肥料分のない水道水よりも土中の肥料分を吸収させた方がよいだろうという事からです。また、1cm位の土を被せたのも前の段落で述べたように十分な根張りが出来るようになることを期待してのことです。

画像が用意出来なかったことは残念でしたが、ビニールポットの中で第2弾の苗10株は本葉が2,3枚出てくるまでに生長しました。そこでいよいよ路地への植え替えということになりましたが、焦りがあってビニールポットの中での根の張り方が不十分なまま植え替えてしまったためにきちんと根付いたのは4株だけという結果に終わってしまいました。

まとめ

今回は本来は冷涼な気候を好む小松菜の苗作りを真夏に行うというかなり無理な挑戦でした。結果としては成功というにはほど遠いものになりましたが、その一番の理由は栽培適期を無視した取組みにあったと思います。

卵パック方式による種蒔きと苗作りについては、まだ評価を下せません。というのは別記事になりますが「ミズナ(水菜)の苗作り」においてはそれなりの成果を収めることができたことからです。その記事は現時点(24年10月1日)においてはまだ更新中でありますがこの方式で作った苗20株の内、ビニールポットへの移植を経て露地に定植した後、虫に食われた2株を除いて全て順調です。小松菜栽培での経験で学んだ双葉の内にビニールポットへの移植と脱脂綿に1cmほどの土を被せる事と露地への定植は本葉が出来るだけ生長し十分な根張りが見込まれてから行う事などが幸いしているのだと思います。

とは言え、その記事でも述べますが、やはり種は手間や発芽率の事を考えると生育適期に直播きした方がより効率的な栽培が期待できるといえると思います。尤も植物の種類によってはセルトレイにて苗作りをしてから移植するなり定植するものもありますから、菜園・花壇の素人管理人にとって卵パック方式は捨てたものではないというのが現時点での感想となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

またお会いできる日を楽しみにしております。

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