菊作りは、苗作りと土作りから

菊の苗、そろそろ根付いたかな
この記事は約7分で読めます。

 

こんにちは、「猫の額」の菜園・花壇にお越しいただきありがとうございます。

管理人の花都 野菜です。

「猫の額」の家庭菜園・花壇の中でも秋の訪れと共に美しい花を咲かせる菊ですが、今年の取り組みは遅れに遅れてしまい、苗作りは6月初め、土作りも6月も末になってからようやく始めました。約2カ月ほどの遅れです。

そんなわけで今年の菊づくりは果たして上手くいくのかはなはだ心もとない出発ですが、どうか皆様暖かく見守って頂けましたら幸いです。この記事では手始めとして苗作りと土づくりの取り組みからご紹介いたしますのでよろしくお願いいたします。

苗づくり

菊づくりのためには何といっても丈夫な苗が必要になります。以下では素人ながらの苗づくりをご紹介いたしますが、アドバイスなどがございましたらよろしくお願いいたします。

昨年栽培していた菊の新芽から今年栽培する苗をつくります。菊は多年草なので、昨年の株をそのまま植えっぱなしにして残しておけば手間もかからないのでこれはよいなと思っていたら、その道の先達から古い株には病気が出たりするので毎年新しい株を作ったほうが良いと教わりました。なので、新しい株を挿し芽によって作るようにしました。なお昨年の株は万一うまくいかなかったときの為のいわば保険として、先達の教えには反するようですが9月ごろまでは残しておきます。

植物活力剤で、発根や発芽を促進します。かなり薄めて使います。

 メネデール(芽根出る!) 

新芽を4本、場合によっては長い新芽を何本かに切り分けて1品種につき挿し穂を4本用意し、発根促進剤を使用して挿し穂の発根を促します。発根促進剤にはいろなものがありますが、私は上の画像に示したメネデール(芽根出る!)を使っています。ホームセンターなどで普通に市販されています。

挿し穂の長さは大体10cm位で、根元のほうの葉を2,3枚取ります。これを上の画像に示した植物活力剤としてのメネデールの100倍希釈液を24時間ほど吸水させてからビニールポットに挿し芽にします。

それらをトレイに並べ水をその中に注ぎ入れることで水切れを防ぐようにしています。なんか邪道のような気もしているのですが……。水をあまり多くすると夏の日差しと気温の為に水温が上がり根腐れの原因ともなりかねませんので注意が必要です。また、発根を促進させるという観点からは四六時中の水浸しではなく、時には根自体にも生長の努力をしてもらうこと、さらには蚊の幼虫(ボウフラ)の発生を抑えるという点からも1日に1回は水が無くなる時間帯を設けるようにしていました。

菊の苗、そろそろ根付いたかな

 そろそろ根付くかな

ビニールポットに挿し芽をしてから約1ヶ月がたちました。新芽が枝の脇から出始めているのでもう根が生えていて植付けてもよいのかなとは思いますが、昨年は根が十分に生えてこないうちに植付けたためか2,3株、育ちの悪いものがありました。ビニールポットの底穴から根が顔を出してくれるようになれば間違いなく植付け出来るということなので、もう少し様子を見ることにします。

土づくり

苗づくりと共に重要なポイントが土づくりです。適切な土壌条件が整っていてこそ、菊の魅力を最大限に引き出すことが出来るのだと思います。具体的には、腐葉土を5割、赤玉土を3割、ピートモスを2割という割合がよく推奨されている配合です。

とはいうものの、なにしろ「猫の額」の菜園・花壇の素人管理人。しかも賃貸アパートの1階の庭という事でもあり、上述のような理想的な土壌条件はなかなか実現できません。そこで、以下においては素人管理人の工夫での土づくりをご紹介いたします。

腐葉土に代わるもの

腐葉土は、菊の土づくりにおいて非常に重要な役割を果たします。その理由として、腐葉土は菌類や微生物が豊富に含まれていて、植物の健康な生育を助けるからです。また、腐葉土は保水性と通気性が良く、これもまた菊の根が健康に育つために大切な条件となります。腐葉土を使用することで、土壌がよりふんわりとし、根が伸びやすくなります。

周囲から刈り取った雑草の水分を飛ばし虫や菌類による分解を促し堆肥化の準備段階とします

 雑草を平置き 

「猫の額」の菜園・花壇では、庭や共用部に生えてきた雑草や家庭生ごみ、菜園・花壇の収獲の残渣物を堆肥化させ腐葉土の代わりにしてきました。雑草や収穫の残渣物などをある程度の期間、地面のうえに平置きして虫たちの餌とし、有機物の分解の手助けをしてもらいます。彼らの排泄物もまた貴重な肥料にもなることでしょう。

堆肥化が進むよう雑草を鋤込みます

 土被せと鋤き込みの繰返し 

青々としていた雑草や残渣物が枯れてきたところで、土を被せるかまたは土壌中に鋤き込むかして今度は土壌中の微生物の力によって雑草や残渣物などの固形物の発酵が進みます。これを繰り返すことで固形物・土壌、固形物・土壌というようにいわば重層構造が出来上がります。この構造の中で土壌中の微生物の活動がさらに活発になり、発酵がどんどん進んでいきます。

一口に土壌中の微生物といっても大きく分けて、細菌・放線菌・糸状菌・藻類とあるようです。それぞれの特徴や土づくりの上での働き方の違いなどもあるのだろうなと思います。菜園・花壇の素人管理人ですのでそれらについて詳しく説明することはできませんが、彼らの働きが土づくりの上で重要なポイントになることは間違いないでしょう。

赤玉土の代わりとして

そしてこれらの土壌微生物は土壌の団粒化を進める要因の一つにもなっているので、赤玉土の代わりとして通気性や保水性のバランスを保つことにも繋がると思っています。とはいえ、やはり本来の赤玉土の効能には敵わないだろうなとは思います。

土を被せ土中で更に堆肥化を進めます

 鋤き込み終了

植物残渣は発酵が進んだとはいえ、繊維質は結構強度があるのでなかなかうまく鋤き込めません。スコップを使って何とかある程度細かくして鋤き込むことが出来ました。この後にも土を出来るだけ耕して土壌の中に空気を入れて土壌微生物の活動を手助けします。土壌微生物や人間による耕起によって土壌の団粒化が進みます。団粒構造とは土壌が小粒の集合体のようになっていて、その適度な隙間が通気や排水と共に保水さらには肥料分を保つなどの効果があります。

昆虫・ミミズ・小動物の分泌物、作物の根から排出される分泌物、土壌微生物からの分泌物、カビの菌糸などが接着剤の働きをして団子状の粒子が生成されます。こうした様々な要因によって土の粒子を団子状にすることで、団粒構造ができあがります。土の中で分泌物や菌糸などが活発に活動すると、人間が土を耕すように団粒化が進み、良い土壌に改善されるといわれています。こうして赤玉土のような団粒化したフカフカの土壌が出来れば菊に限らず植物の根も十分に育ち丈夫な植物の生長が見込めるようになるでしょう。この段階、または幾日かおいて肥料を投入します。

肥料の混ぜ込み

菊の栽培において、肥料の選び方も大変重要です。肥料は植物にとって必要な栄養素を供給し、強健な成長と豊かな花付きに貢献します。まず、菊に適した肥料として有機肥料が良いとされています。これは、土壌の微生物の活動を活発にし、長期間にわたって栄養素を供給するからです。そして、チッ素、リン酸、カリウムのバランスがとれるようにします。今回は元肥として植付の1、2週間前に土壌素混ぜ込みます。

植物の三大栄養素と言えば、ご存知のようにチッソ・リン酸・カリ(カリウム)ですね。そこでこれらを土壌に補給すべく、上記の三種の肥料を元肥として土壌に混ぜ込みます。花壇での花の栽培や菜園の場合で実をとる野菜では花と実の栄養素であるリン酸が多めになるように、また、菜園での葉物野菜ではチッソ分が多くなるように調整します。そして雨の多い日本の気候では土壌が酸性に傾きやすいので中和剤としての石灰分も必要です。

左端の「なたね油かす」にはリン酸やカリも含まれていますが、チッソ分が圧倒的に多いのが特徴です。中央の「綜合土壌改良資材」(ハイパワー苦土石灰)によってリン酸と苦土石灰を投入します。微量栄養素も含まれています。苦土石灰は雨の多い日本の気候の下、酸性化しやすい土壌を石灰(カルシウム)分の力で中和させます。苦土石灰は消石灰ほどの即効性はありませんが、その分チッソ分を含むなたね油かすと同時に混ぜ込んでも特に問題は起きないようです。右端の発酵けいふんにはリン酸が多く含まれていることに加え窒素やカリも多く含まれています。これら三種の肥料については作物ごとに適切な配合割合もあるのでしょうが、素人管理人の今の知識と技術では厳密な割合は分かりません。

まとめ

元々は田圃だった処に水害対策として恐らくは川原土砂でもって嵩上げして建てられたアパートの小庭ですから花や野菜に適した土壌ではありません。とは言え、工夫次第では少しずつでも土壌改良を続けていけばそこそこの菜園や花壇でのガーデニングが楽しめるようになるでしょう。この記事で紹介した土作りは、家庭菜園や花壇の場合であればそれなりに有効な方法になると思います。

肥料の配合は今後の菜園や花壇の作物の生育具合や葉付き・実付きの様子を見ながら適切な配合割合を探求していくことになるでしょう。そして今年(’24年)は遅れに遅れた菊の苗作りでしたが、それでもそれなりに根付き植え付けが出来るまでに生長しました。後は適切な時期に植付けるばかりになりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

またお会いできる日を楽しみにしております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました